SDGs 17の目標達成に向けたアンケート調査「MY WORLD 2030」とは

2015年、国連本部において持続可能な開発サミットが開催され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。アジェンダに掲げられている目標が「SDGs(持続可能な開発目標)」です。国連では、SDGsの達成期限である2030年までに、より多くの国々、より多くの人々からの声を聞くために「MY WORLD 2030」アンケート調査を開始しました。

アンケート調査は3問あり、SDGsに対する認知度や、自分が課題としているグローバル目標は何か、といった内容です。国連のWebサイト「MY WORLD 2030」から回答することができます。2019年6月の時点で40万人以上からの回答が寄せられています。どのような調査結果が出ているのか見てみましょう。

SDGsの認知度はおよそ6割程度

下のグラフは、「2015年に国際連合にて193ヶ国の首脳により署名された持続可能な開発目標(SDG)、またはグローバル目標はご存知ですか」に対する回答結果をグラフで示したものです。

回答結果から、SDGsとは何なのか、またSDGsの17の目標にはどのようなものがあるのか、についての認知度を知ることができます。グラフを見ると、全世界の平均、日本ともに「はい」と回答した人は6割程度いることがわかります。

出典:MY WORLD 2030(国連広報センター)

日本人の目前に迫っている課題は「健康福祉」と「気候変動」

「どのグローバル目標が、あなたとあなたの家族にとって目前に迫っている課題ですか?」の質問に対する回答をグラフで示したのが下図です。

全世界の平均では、SDGs 8「経済成長」が最も多く、SDGs 3「健康福祉」SDGs 5「ジェンダー」と続きます。一方、日本の場合はSDGs 3「健康福祉」が1番で、SDGs 13「気候変動」SDGs 8「経済成長」の順となっています。

日本における気候変動は深刻な状況で、国連人道問題調整事務所の調査書「Global Peace Index 2019」において日本は、気候変動の影響を受けやすいリスクの高い国の1つであると報告しています。

出典:MY WORLD 2030(国連広報センター)

日本の「ジェンダー」に関する状況は改善へ向かっている

下のグラフは、「過去の12ヶ月で、選択したグローバル目標の状況は次のうち、どれが当てはまりますか:良くなった、変化がなかった、悪くなった」の回答状況をグラフに表したものです。

SDGs 17の目標の中で、状況が良くなったと回答したのは、SDGs 5「ジェンダー」(50.0%)、SDGs 17「パートナーシップ」(46.3%)、SDGs 9「技術革新」などでした。前項の調査において、目前に迫っている課題の1つに「ジェンダー」を挙げている人が多くいましたが、一方で、状況が良くなったと思っている人も多いことがわかります。

逆に状況が悪くなったと回答したのは、SDGs 14「海を守る」(38.7%)、SDGs 13「気候変動」(35.5%)、SDGs 16「平和と公正」などでした。

出典:MY WORLD 2030(国連広報センター)

 

下のグラフは、全世界平均のグローバル指標の状況を示したものです。全世界平均で見ると、SDGs 5「ジェンダー」(32.9%)、SDGs 9「技術革新」(32.4%)、SDGs 6「水」(31.8%)などが状況が良くなったと回答しています。一方、状況が悪くなったと回答のあったのはSDGs 16「平和と公正」(43.4%)やSDGs 2「飢餓」(42.1%)、SDGs 1「貧困」(41.3%)などでした。

日本では、飢餓や貧困などを大きな問題として取り上げることはありませんが、全世界に目を向けると大きな問題であることがわかります。

出典:MY WORLD 2030(国連広報センター)