持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は2020年6月、世界各国における持続可能な開発目標(SDGs)の達成度ランキング「持続可能な開発報告書2020(Sustainable Development Report)」を発表しました。
世界の地域ごとのSDGsの達成度について見ていきましょう。
SDGs達成度の高い地域は北米
下のグラフは、世界各国のSDGs達成度を地域別に分類して平均値を算出したものです。達成度の一番高かった地域は北米の77.31ポイントという結果でした。次に欧州(76.92ポイント)、中南米(68.55ポイント)と続きます。最も達成度の低かった地域はアフリカ(55.96ポイント)でした。
参照:Sustainable Development Report(SDSN)
下のグラフは、北米地域とアフリカ地域におけるSDGsの各目標の達成度を比較したものです。多くの目標がアフリカ地域よりも北米地域の方がポイントを上回っていることがわかります。特に、SDGs 9の「インフラ、産業化、イノベーション」(強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る)やSDGs 1の「貧困」(あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる)などは北米地域がアフリカ地域を大きく上回っています。
一方、アフリカ地域が北米地域よりも大きく上回っているのがSDGs 12の「持続可能な生産と消費」(持続可能な生産消費形態を確保する)と、SDGs 13の「気候変動」(気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる)です。
参照:Sustainable Development Report(SDSN)
OECD加盟国の達成度が高い
下のグラフは、OECD加盟国、およびMENA、BRICSのSDGs達成度を表したものです。1位はOECD(77.30ポイント)、2位はBRICS(68.76ポイント)、最下位はMENA(66.72ポイント)という結果でした。SDGs達成度は、経済が発展している国ほど高いスコアを出すということがわかります。
※BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国の5か国。
※MENAは、中東(Middle East)と北アフリカ(North Africa)を合わせた国々。アラブ首長国連邦やイラク、エジプトなど。
参照:Sustainable Development Report(SDSN)
所得別では所得の高い国ほどSDGs達成度が高い
下のグラフは、世界各国のSDGs達成度を所得層別に分類して平均値を算出したものです。達成度の一番高かった所得層は、高所得国(77.73ポイント)という結果でした。次に上中所得国(73.24ポイント)、低中所得国(61.65ポイント)と続き、最下位は低所得国(52.47ポイント)でした。
所得の高い国ほどSDGs達成度の高いことがわかりました。
参照:Sustainable Development Report(SDSN)