小学校の探究学習科目「総合的な学習の時間」は、学習指導要領改訂でどのように変わるのか

2016年度に小学校学習指導要領が改訂され、周知・徹底期間や移行期間を経て、2020年度からは新しい学習指導要領のもとでの授業が始まります。

小学校の探究学習科目総合的な学習の時間」の授業では、児童自らが課題を設定して、課題解決に向けて情報を収集・整理したり分析したりして、課題解決のための資質・能力の育成を目的としています。新学習指導要領になって、「総合的な学習の時間」はどのように変わるのでしょうか。見ていきましょう。

探究学習科目「総合的な学習の時間」の目標

小学校新学習指導要領では、総合的な学習の時間の目標について、次のように規定しています。

第1 目 標

探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 探究的な学習の過程において、課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け、課題に関わる概念を形成し、探究的な学習のよさを理解するようにする。
(2) 実社会や実生活の中から問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現することができるようにする。
(3) 探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに、互いのよさを生かしながら、積極的に社会に参画しようとする態度を養う。

 

探究学習における課題は、社会的に大きく取り上げられている問題から探すのではなく、身の回りから探し出すとしています。例えば、給食の残飯が破棄されることに着目して、世界各国の食糧事情や食品ロスに関する問題を取り上げてみたり、高齢化社会を目の当たりにしてこれからの人生設計について考えてみたりする、といった取り組みが考えられます。

総合的な学習の時間においては、これらの課題を自分で見つけなければなりません。また、情報収集や整理分析、まとめに至るまで、(なるべく)先生の手を借りないで遂行しなければなりません。

なお、旧学習指導要領では、次のように規定しています。

第1 目 標

横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする。

各学校において定める目標及び内容

各学校において定める目標及び内容について、新学習指導要領では次の項目が新設されました。

3 各学校において定める目標及び内容の取扱い

各学校において定める目標及び内容の設定に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学校において定める目標については、各学校における教育目標を踏まえ、総合的な学習の時間を通して育成を目指す資質・能力を示すこと。
(2) 各学校において定める目標及び内容については、他教科等の目標及び内容との違いに留意しつつ、他教科等で育成を目指す資質・能力との関連を重視すること。
(4) 各学校において定める内容については、目標を実現するにふさわしい探究課題、探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力を示すこと。
(6) 探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力については次の事項に配慮すること。
ア 知識及び技能については、他教科等及び総合的な学習の時間で習得する知識及び技能が相互に関連付けられ、社会の中で生きて働くものとして形成されるようにすること。
イ 思考力、判断力、表現力等については、課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現などの探究的な学習の過程において発揮され、未知の状況において活用できるものとして身に付けられるようにすること。
(7) 目標を実現するにふさわしい探究課題及び探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力については、教科等を越えた全ての学習の基盤となる資質・能力が育まれ、活用されるものとなるよう配慮すること。

 

新学習指導要領の大きなテーマの1つに「資質・能力を身に付ける」があります。総合的な学習の時間においても、資質・能力を身に付けることに焦点を当てた内容であることがわかります。

指導計画の作成と内容の取扱い

指導計画の作成と内容の取扱いでは、障がいのある児童への配慮と、コンピュータの活用に関する項目が追加されました。

1-(6) 障害のある児童などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。

2-(3) 探究的な学習の過程においては、コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切かつ効果的に活用して、情報を収集・整理・発信するなどの学習活動が行われるよう工夫すること。その際、コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し、情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮すること。

 

新学習指導要領のもとでは、コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用し、プログラミングの授業を通して論理的な思考力を身に付けることが規定されています。探究学習科目「総合的な学習の時間」においても、コンピュータや情報通信ネットワークを活用した活動が求められます。