「SDGs未来都市」に選定された町・村の取り組み

 

2019年7月、内閣府は全国の都道府県、および市町村の中から「令和元年度SDGs未来都市」を選定しました。SDGs未来都市とは、SDGs(持続可能な開発目標)の理念に沿った取り組みをしている都市や地域のうち、経済、社会、環境の3つの側面でポテンシャルが高いと認められた都市や地域のことです。2019年度(令和元年度)は、SDGs未来都市として3つの県と19の市、7つの町、2つの村の合計31都市が選定されました。

SDGs未来都市に選定された31都市の中で、自治体の規模が比較的小さい7つの町と2つの村について、どのような取り組みを行っているのか見ていきましょう。

群馬県みなかみ町

群馬県北部に位置するみなかみ町(まち)では、「水と森林(もり)と人を育む みなかみプロジェクト 2030~持続可能な発展のモデル地域“BR”として~」と題してSDGsへの取り組みを行っています。みなかみ町の里地里山を中心に、観光や農林業、教育、健康、福祉、エネルギーなどのさまざまな分野について横断的に連携して地域の活性化を図るとしています。

みなかみ町が推進するSDGsのゴール


4.教育

6.水

7.エネルギー

8.経済成長

9.産業

11.街づくり

12.作る・使う責任

13.気候変動

15.陸

17.パートナーシップ

参照:みなかみ町 2019年度SDGs未来都市等提案書

奈良県三郷町

奈良県三郷町(さんごうちょう)は、奈良県北部の大和川に囲まれた小さな町です。2017年、2018年の大雨により甚大な被害を受けた町です。大雨の原因である地球温暖化をこれ以上進まないようにするために、「エネルギーを無駄づかいしない」「自然が生み出す再生エネルギーを利用する」といった取り組みを町を挙げて推進しています。

三郷町が推進するSDGsのゴール


SDG3.健康福祉

SDG4.教育

SDG7.エネルギー

SDG8.経済成長

SDG9.産業

SDG11.街づくり

SDG13.気候変動

SDG17.パートナーシップ

参照:三郷町 2019年度SDGs未来都市等提案書

奈良県広陵町

奈良県広陵町(こうりょうちょう)は、奈良県北葛城郡の南東部に位置する、人口3万人余りの小さな町です。奈良県広陵町には基幹産業がなく、靴下やプラスチック製造などの中小企業が多い町です。奈良県広陵町が抱えている課題は、経済面においては「地場産業の衰退と域内経済循環の低さ」、社会においては「町民の高齢化と安全・安心なまちづくり」、環境面においては「環境や防災・減災対策の遅れ」などが挙げられます。SDGsを通してこれらの課題解決を図っています。

奈良県広陵町が推進するSDGsのゴール


SDG11.街づくり

SDG12.作る・使う責任

SDG13.気候変動

参照:広陵町 2019年度SDGs未来都市等提案書

⿃取県智頭町

鳥取県智頭町(ちづちょう)は、鳥取県の東南部に位置する、林業で栄えた町です。近年は、急激な少子高齢化や人口流出などの課題を抱えています。SDGsのゴールである2030年に向けて、「一人ひとり䛾人生に寄り添えるまち」を目指しています。

智頭町が推進するSDGsのゴール


SDG4.教育

SDG8.経済成長

SDG9.産業

SDG11.街づくり

SDG15.陸

SDG16.平和

参照:智頭町 2019年度SDGs未来都市等提案書

⿃取県⽇南町

中国山地の中央、鳥取県の南西部に位置する⿃取県⽇南町(にちなんちょう)は、製鉄業が盛んな町でした。戦後は林業により多くの雇用を生みましたが、都市部への人口流出が止まらず、今では少子高齢化の問題に直面しています。2030年、SDGsのゴールに向けてた「持続可能なまちづくり」を目指しています。

日南町が推進するSDGsのゴール


SDG8.経済成長

SDG11.街づくり

SDG13.気候変動

SDG14.海

SDG15.陸

参照:日南町 2019年度SDGs未来都市等提案書

岡⼭県⻄粟倉村

岡⼭県⻄粟倉村(にしあわくらそん)は、岡山県の北東に位置する村です。周辺の村が合併する中、西粟倉村は合併することなく現在に至ります。主な産業は林業で、地域の森林資源の活用を起点に、自然資本の充実とそこから生まれる地域経済の拡充に取り組んでいます。

西粟倉村が推進するSDGsのゴール


SDG3.健康福祉

SDG4.教育

SDG7.エネルギー

SDG8.経済成長

SDG15.陸

参照:⻄粟倉村 2019年度SDGs未来都市等提案書

⿅児島県⼤崎町

⿅児島県⼤崎町(おおさきちょう)は、鹿児島県の東南部に位置する、人口約1万3000人の小さな町です。大崎町の基幹産業は農業ですが、高度成長期を迎えると多くの若者が都市部へ流出し、人口は減少していきました。大崎町では、2030年のあるべき姿を実現するために「世界の人口1万人地域で応用可能な循環型地域経営モデル確立」を目指してSDGsゴールを目指しています。

⼤崎町が推進するSDGsのゴール


SDG4.教育

SDG5.ジェンダー

SDG7.エネルギー

SDG8.経済成長

SDG9.産業

SDG10.平等

SDG12.作る・使う責任

SDG17.パートナーシップ

参照:大崎町 2019年度SDGs未来都市等提案書

⿅児島県徳之島町

⿅児島県徳之島町(とくのしまちょう)は、日本初の環境文化型国立公園に指定された奄美群島にあります。また、奄美大島や沖縄島北部、西表島とともに世界自然遺産候補地となっています。自然に恵まれている反面、大学などの教育機関がないため、地元若者の島外転出が大きな課題となっています。

徳之島町が推進するSDGsのゴール


SDG4.教育

SDG8.経済成長

SDG9.産業

SDG11.街づくり

SDG12.作る・使う責任

SDG14.海

参照:徳之島町 2019年度SDGs未来都市等提案書

沖縄県恩納村

沖縄県恩納村(おんなそん)は、村全体でのSDGsの取り組みとして、村民の自然環境に対する意識向上を図り、自然環境の保全と育成を行っています。2018年7月には「サンゴの村」を宣言し、自然環境に優しい地域づくりを目指しています。

恩納村が推進するSDGsのゴール

 


SDG4.教育

SDG8.経済成長

SDG10.平等

SDG12.作る・使う責任

SDG14.海

SDG15.陸

SDG16.平和

参照:徳之島町 2019年度SDGs未来都市等提案書