AO入試を狙うならプレゼン力を鍛えよう

大学入試の方式のひとつである「AO入試」は、普通の試験とは少し違った特殊な方式です。

AO入試で合格を勝ち取るにはある程度のプレゼンテーション能力が欠かせません。自分の思いや熱意を、いかにうまく伝えられるか、その意味でプレゼン力はAO入試の成否を左右する「秘訣」です。

AO入試とは? その特徴は?

AO入試は、大学入試において実施されている受験方式のひとつです。簡単にいえば、志望者の才能、熱意、人柄などを見極めて合否を判定する方式です。

AO入試は1990年代初頭、アメリカの制度を見習う形で日本に導入されたとされています。国内で初めてAO入試を導入した大学は慶応大。今では多くの大学がAO入試を導入しています。

ちなみに「AO」は Admissions Office(入学事務局、入試担当課)の略です。AO入試も「アドミッションズオフィス入試」と呼ばれることがあります。

AO入試の特徴

AO入試は、受験者の志望動機や熱意、大学への適性、才能、人物像、などといった部分に着目して学生を評価して合否を判断する方式です。

筆記試験あるいは実技試験といった通常の学力試験は実施せず、書類審査や面接試験が合否判定の手がかりになります。

学力試験がない! ということは、いうなれば受験勉強をすっ飛ばして大学合格を狙えるということではあります。実際、AO入試は、そういう試験の出来では判断できない才能を見出すための方式です。

しかし、だからといってAO入試が楽チンな選択肢というわけではありません。むしろ、点数で評価できない価値を大学側に認めてもらわないといけないのですから、ある意味では単純な受験勉強よりもずっと難しい部分があります。

AO入試にはプレゼン力が必須のスキル

AO入試では主に面接を通じて合否が判定されます。複数回の面接を経て人柄がじっくり観察・判断されるわけです。

AO入試はいわば「大学側に自分の価値を認めてもらう」取り組みです。与えられた問題を解くわけでもなく、特定の課題をこなすわけでもありません。数値化できない「何か」がある、ということを何とかして伝えなくてはなりません。

動機や熱意の伝え方も大事なポイントです。どれだけ熱意があっても「貴校に入学したいのです! この情熱は誰にも負けません!」と叫ぶだけでは何も伝わりません。少なくとも、具体的には伝わりません。

AO入試では、《自分がどのような背景をもとに志望するに至ったか》、《当校にどれほどの熱意を持っているか》、《進学を見据えてどのような取り組みを行ってきたか》といった事柄を、相手に効果的に伝えて、相手に理解してもらえるように、伝達しなくてはなりません。

相手に伝える技術、それは即ちプレゼンテーションスキルです。

プレゼンの基本精神を身に着けよう

プレゼンテーションの技術にも色々な要素がありますが、AO入試に活用するという場面では、小手先の技術ではなく、根本的な考え方です。

身振り手振りや目配せとか、間の取り方とか、そういった部分も大事です。しかしながらそれは合否を左右する根本的な要因とはならないでしょう。

あくまでも大事な部分は「相手に理解してもらえるように伝えるには、どう伝えたらよいか」という発想です。

たとえば、情報は理由も添えて過不足なく提示すること。大事なことを最初に述べて相手に伝えきること。あくまでも論理的に話を進めること。聞き手に最大限の敬意を払うこと。等々。

もちろん、AO入試において大切な部分は、あくまでも熱意やビジョンといった部分です。プレゼン力は補助的な要素に過ぎません。とはいえ、せっかくの熱意を伝えきれないまま不本意な結果に終わるようなことにならないために「プレゼン的な伝え方」を意識してみても決して損はありません。