高校の探究学習科目「総合的な探究(学習)の時間」を支援する団体と、支援テーマ

探究学習科目「総合的な探究(学習)の時間」は、学習指導要領を踏まえながら、地域や学校の実態に応じて創意工夫を生かし、具体的な指導計画や学習活動などを定めることが求められています。

文部科学省では、小学校や中学校、高等学校が、指導計画や学習活動のねらいに則した授業が進められるように、「総合的な探究(学習)の時間」に対して、省庁や企業などが実施している支援内容をWebサイトを通じて公開しています。

各学校は、Webサイトに掲載されている支援団体へ連絡を取り、探究学習科目「総合的な探究(学習)の時間」の授業の支援を受けることができます。

どのような団体がどのようなテーマで探究学習の支援をしているのでしょうか、またどのようなテーマの支援が受けられるのでしょうか。

「情報」に関する支援が多い

団体が提供する支援の中でもっとも多かったのが「情報」に関する支援です。情報は、情報化の進展とそれに伴う日常生活や消費行動の変化などを学習テーマにしたもので、さまざまな情報手段の機能や特徴を学んだり、情報環境の変化と社会生活との関わりについて学んだりします。例えば、ソフトバンク株式会社による、子どもたちが携帯電話をより安全に、安心して利用してもらうための情報モラル教育学習プログラムなどが挙げられます。

次に多かったのは「国際理解」に関する支援です。世界の国々の伝統や文化を学んだり、異なる文化との共生について学んだりします。大使館や海外の国と文化交流を行っている団体などが教材や資料を提供しているようです。

参照:「総合的な学習の時間」における学習活動への支援を行っている府省庁・関係団体(文部科学省)

なお、高校における「総合的な学習の時間」の実施状況を見ると「キャリア」がもっとも多く、「伝統と文化」「福祉・健康」と続いています。

キャリアは、働くことの意味や社会への貢献、社会的責任などについて学びます。インターンシップの体験もできます。

参照:平成25年度公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について(文部科学省)

支援団体は財団法人、社団法人が多い

文部科学省のWebサイトに登録されている団体の内訳は、財団法人がもっとも多く、社団法人、一般企業の順となっています。(※文部科学省のWebサイトに登録されている数であり、支援団体すべての内訳ではありません。)

財団法人日本科学技術振興財団をはじめ、財団法人宇宙科学振興会や財団法人日本ユニセフ協会など多くの財団法人が登録されています。

一般企業では、大手企業から地場企業までさまざまな種類の企業が登録されています。「その他」には大学などが含まれています。東京大学や大阪工業大学、新潟大学、近畿大学などが支援を行っています。

参照:「総合的な学習の時間」における学習活動への支援を行っている府省庁・関係団体(文部科学省)

講師の派遣や教材の提供などの支援を行っている

支援団体では、「総合的な探究(学習)の時間」の授業を円滑に進めるために、さまざまなかたちでサービスを提供しています。もっとも多かったのは「講師派遣」です。探究学習のテーマについて、専門のスタッフが指導します。次に多かったのは「教材提供」「資料提供」です。映像資料やワークブックの提供、パンフレットの提供などを通じて支援サービスを行います。

その他には、教員研修やワークショップ開催、シンポジウムの開催などのサービスを提供する団体もあります。

参照:「総合的な学習の時間」における学習活動への支援を行っている府省庁・関係団体(文部科学省)