SDGsとは、国連加盟国が2030年に向けて設定した、環境や経済、社会についてのゴールのことです。日本語では持続可能な開発目標といいます。SDGsの目標達成のためには、政府や自治体はもとより、民間企業や学校なども積極的に取り組んでいくことがすすめられます。
日本の企業は、どのような形でSDGsを推進しているのでしょうか。いくつか導入例を見てみましょう。
SDGs導入事例1. 株式会社ヤクルト本社
株式会社ヤクルト本社は、乳酸生菌飲料などの飲料や食品の開発、販売などを手掛ける企業です。食品事業の他には医薬品事業や化粧品事業、国際事業なども手掛けています。
株式会社ヤクルト本社では、SDGsを持続可能な社会の実現のための世界の共通課題として取り組むべきものと捉えて、SDGsへの取り組みをCSR行動計画の中に組み込んでいます。SDGsの17の目標のうち、事業内容に見合う7つの目標について、達成に向けた取り組みが行われています。
- 事業活動:研究・開発
主な取り組み:健康に貢献する商品の「研究・開発」に技術革新も図りながら取り組む
関連するSDGs:目標3.すべての人に健康と福祉を、目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう - 事業活動:調達
主な取り組み:持続可能な「調達」に取り組む、労働環境にも配慮した「調達」
を行う
関連するSDGs:目標8.働きがいも経済成長も、目標12.つくる責任 つかう責任 - 事業活動:生産
主な取り組み:持続可能な「生産」に取り組む、生産工場等の適正な雇用を確保する
関連するSDGs:目標8.働きがいも経済成長も、目標12.つくる責任 つかう責任 - 事業活動:物流
主な取り組み:省エネ、環境にも配慮した「物流」を行う
関連するSDGs:目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに、目標13.気候変動に具体的な対策を - 事業活動:販売
主な取り組み:健康に貢献する商品の販売、お届を行う、ヤクルトレディの就労環境の整備を図る、女性の能力向上を図る
関連するSDGs:目標3.すべての人に健康と福祉を、目標5.ジェンダー平等を実現しよう、目標8.働きがいも経済成長も
参照:ヤクルトにおけるSDGs(ヤクルト本社)
SDGs導入事例2. トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社は、日本を代表する自動車メーカーです。トヨタ自動車株式会社では、SDGsの17の目標のうち、「目標3.すべての人に健康と福祉を」「目標11.住み続けられるまちづくりを」「目標13.気候変動に具体的な対策を」の3点を推進しています。
トヨタ自動車株式会社は、SDGsの目標3に基づいて交通死傷者の低減を目指しています。自社で予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を開発して、累計800万台の車に装着をしました(2018年4月時点)。
次に、SDGsの目標11実現のために、持続可能な街づくりやモビリティ向上を図っています。トヨタモビリティ基金による豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消を目的として、ベトナムでの交通手段多様化推進プロジェクトを立ち上げています。
SDGsの目標13は、「気候変動に具体的な対策を」です。トヨタ自動車株式会社では、気候変動への対応のために、「環境チャレンジ2050」「新車CO2ぜロチャレンジ」を推進しています。具体的には、2030年に電動車の販売を550万台以上にすることを目標に掲げています。
参照:サステナビリティ データブック 2018(トヨタ自動車)
SDGs導入事例3. 吉本興業株式会社
吉本興業株式会社は、お笑い芸人やテレビタレントなどを数多く抱える芸能プロダクションです。
吉本興業株式会社では、SDGsの1つ1つの目標に対する活動というよりも、SDGsを啓発するための活動を中心に行っています。例えば、啓発アニメーションやPR CMの製作・上映や、SDGs啓発のためのスタンプラリーの開催、SDGsをテーマにしたお笑いコンテスト「SDGs-1グランプリ」の開催、SDGsをテーマにした吉本新喜劇の開催など、幅広く実施しています。
吉本興業株式会社のSDGsへの取り組みは、第1回ジャパンSDGsアワードの「パートナーシップ賞(特別賞)」を受賞するなど、高い評価を得ています。
参照:吉本興業のSDGsへの取り組み(吉本興業)