高校の授業に新しく加わる7つの「探究」科目とは?

高校の「学習指導要領」は2018年に改訂され、2022年から年次進行で実施されます。今回の改訂では「探究」いう言葉が中心的なキーワードと位置づけられます。

高校の新学習指導要領における「探究」の位置づけを端的に示しているのが、「 総合的な探究の時間」でしょう。「 総合的な探究の時間」は、「総合的な学習の時間」に換えて導入される科目です。

この他に、「古典探究」や「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「理数探究基礎」「理数探究」など、「探究」のついた科目が7つ新設されます。「探究」の科目ではどのような授業が行われるのか見てみましょう。

総合的な探究の時間

「総合的な探究の時間」は、新たに新設された「総合的な探究の時間科」の科目の1つです。「古典探究」「地理探究」などが選択科目であるのに対して、「総合的な探究の時間科」のみ必履修科目です。

「総合的な探究の時間」の学習目標は、「探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を育成すること」としています。

「総合的な探究の時間」については、コラム「 高校の「総合的な探究の時間」の位置づけと目標 」をご覧ください。

古典探究

「古典探究」は、国語科の科目の1つです。古典に関する科目は、これまでに「古典A」と「古典B」の2科目がありましたが、新学習指導要領のもとでは、「言語文化」と「古典探究」の2科目になります。「言語文化」は、上代から近現代に受け継がれてきた我が国の言語文化への理解を深めることを目的とした科目で、「古典探究」は、生涯にわたって古典に親しむことができるよう、我が国の伝統的な言語文化への理解を深めることを目的とした科目です。

授業では、古文や漢文を読み、作品の成立した背景や他の作品などとの関係を踏まえながら解釈を深める学習や、言語文化についての自分の考えを深める学習などを行います。

地理探究

「地理探究」は、地理歴史科の科目の1つです。地理に関する科目は、これまでに「地理A」と「地理B」の2科目がありましたが、新学習指導要領のもとでは「地理総合」と「地理探究」の2科目になります。

「地理総合」は必履修科目で、持続可能な社会づくりを目指し、地理的環境と人間の営みとの関わりに着目して現代の地理的な諸課題などを考察します。そして、「地理総合」で育んだ資質や能力を用いて、さらに専門的な視野から広く探究する科目が「地理探究」です。

「地理探究」では、系統地理的な考察や地誌的な考察によって習得した知識や概念を活用して、現代世界に求められるこれからの日本の国土像の在り方などについて探究していきます。

日本史探究、世界史探究

歴史に関する科目は、これまで「日本史A」「日本史B」「世界史A」「世界史B」の4科目ありました。新学習指導要領のもとでは、「日本史A」と「世界史A」が統合して「歴史総合」(必履修科目)になり、「日本史B」は「日本史探究」、「世界史B」は「世界史探究」になりました。

「歴史総合」で学んだ資質や能力を活用して、専門的な視野から社会的事象等を広く探究するのが「日本史探究」「世界史探究」です。

「日本史探究」の授業では、我が国の歴史の展開について、世界の歴史や歴史を構成する様々な要素に着目して、総合的に広く深く探究するとしています。また、「世界史探究」の授業では、世界の歴史の大きな枠組みと展開について、地理的条件や日本の歴史と関連付けて、広く深く探究するとしています。

理数探究基礎

「理数探究基礎」は、新たに新設された理数科の科目の1つです。学習指導要領では、「理数探究基礎」の目的を次のように規定しています。

様々な事象に関わり,数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせ,探究の過程を通して,課題を解決するために必要な基本的な資質・能力を育成することを目指す。

「理数探究基礎」の授業では、自然事象や自然科学、先端科学、科学技術に関することの中からテーマを見つけて探究していきます。テーマの例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 振り子の性質に関する探究
  • リニアモーターカーに関する探究
  • 地域の自然環境と人間生活の影響についての探究
  • 遊園地の遊具の運動に関する探究
  • 単位分数の循環桁数に関する探究

理数探究

「理数探究」は、「理数探究基礎」と同じく理数科の科目の1つです。「理数探究基礎」で学習する内容に加えて、多角的、複合的に事象を捉え、課題を設定する力や探究の過程を整理し、成果などを適切に表現する力などを育成します。授業における課題は、生徒が興味、関心等に応じて主体的に設定することができます。

「理数探究」の授業では、大学や研究機関、博物館などと積極的に連携、協力していくことが望まれます。

参照:高等学校学習指導要領(文部科学省)