探究学習の授業を通して高校教師は何が変わったか

高校の探究学習科目「総合的な探究の時間」では、探究的な学習を実現するために「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」のプロセスを辿ります。生徒への評価は、「まとめ・表現」で判断するのではなく、すべてのプロセスにおける学習活動への関心や意欲、態度などを総合的に判断します。

総合的な探究の時間の授業は、生徒一人ひとりの新しい一面が見られる機会でもあります。先生の生徒に対する見方も変わってくることでしょう。探究学習の指導を通して先生は何が変わったのでしょうか。

7割以上の先生が「主体的に学べる機会を増やした」と回答

以下のグラフは、総合的な探究の時間を担当する教師を対象に、「探究学習の授業を通して自分自身にどのような変化がありましたか」に対する回答を集計したものです。(参照:探究学習白書2020

「総合的な探究の時間を通して、生徒が主体的に学べる機会を増やした」については、「そう思う」の回答が16.5%、「どちらかというとそう思う」の回答が55.7%という結果でした。2つの回答率を合わせると、先生の7割以上が「主体的に学べる機会を増やした」と回答していることがわかります。

高校の「総合的な探究の時間」を通じて生徒が主体的に学べる機会を増やした

 

次に、「生徒への評価方法を見直すようになった」については、「そう思う」が13.0%、「どちらかというとそう思う」が45.9%でした。生徒を評価する手段としては学力テストが挙げられますが、学力テストでは測れない意欲や能力を重視する先生が半数以上いることがわかりました。

高校の「総合的な探究の時間」を通じて生徒への評価方法を見直すようになった

 

「総合的な探究の時間を通して生徒の新しい面を発見するようになった」と思っている先生は19.2%、どちらかというとそう思うと回答した先生は53.8%でした。実に4人に3人の先生が、生徒の新しい面を発見できたと回答しています。

高校の「総合的な探究の時間」を通じて生徒の新しい面を発見するようになった

探究学習白書2020

4人に3人の先生が「自分の担当する科目以外の知識が広まった」と回答

総合的な探究の時間を通じて、自分が担当する科目以外の知識が広まったかどうかを示したのが下のグラフです。「広まった」の回答が18.1%、「どちらかというと広まった」が56.5%で、4人に3人の先生が、「知識が広まった」と回答しました。

高校の「総合的な探究の時間」を通じて自分が担当する科目以外の知識が広まった

 

次に、「自分が担当する科目において、指導方法を見直したり、新しい指導方法を取り入れたりした」については「取り入れた」が13.8%、「どちらかというと取り入れた」が50.0%という結果でした。約36%の先生は「取り入れていない」と回答しており、探究教科における指導方法を他教科に取り入れることは容易でないことがわかります。

高校の「総合的な探究の時間」を通じて自分が担当する科目において、指導方法を見直したり、新しい指導方法を取り入れたりした

 

「情報収集の手段が多様化した」と回答した先生は16.5%、どちらかというと多様化したと回答した先生は53.8%でした。情報収集の手段としては、インターネットやテレビ、新聞、雑誌、書籍などが挙げられます。

高校の「総合的な探究の時間」を通じて情報収集の手段が多様化した

探究学習白書2020