新型コロナウイルス感染症拡大により、学校現場は臨時休業や時差登校、リモート授業などの対策を迫られ大きな影響を受けています。『探究学習白書2021』によれば、多くの高校が新型コロナウイルスによって「総合的な探究の時間」(総合的な学習の時間)の学習計画を変更したと回答しています。
新型コロナウイルス感染症拡大によって探究学習の授業はどのように変わっていったのでしょうか。
探究学習の学習計画を変更した高校は79%に上る
下のグラフは、高等学校における、新型コロナウィルス感染症の影響による「総合的な探究の時間」、「総合的な学習の時間」の学習計画の状況を示したものです。学習計画を変更したと回答があったのは全体の79.1%に上ります。生徒の登校する機会が減り、施設への見学や訪問、ワークショップやセミナーへの参加などが困難になったことなどが原因で学習計画の変更を余儀なくされたといえるでしょう。
参照:『探究学習白書2021』
高校の3分の1はオンライン授業を実施
新型コロナウィルス感染症の影響で「総合的な探究の時間」、「総合的な学習の時間」の授業をオンラインに移行した高校は33.7%、およそ3分の1でした。3分の2の高校ではオンライン授業は実施されませんでした。
オンライン授業の実施率が低い理由の1つとして、家庭におけるパソコンやインターネット環境があまり普及していない点が挙げられます。また、学校側の、オンライン授業への対応が進んでいないことも理由の1つであるといえるでしょう。
参照:『探究学習白書2021』
コロナの影響で探究学習の授業時数は減少
高校の休業期間中における探究学習の授業時数の状況を示したのが下のグラフです。68.6%の高校が授業時数を減らしたと回答しています。自宅学習では英語や国語、数学といった教科に重きが置かれ、「総合的な探究の時間」や「総合的な学習の時間」の学習は後回しにされています。
参照:『探究学習白書2021』
『探究学習白書2021』では、コロナ禍における先生たちの思いをいくつか紹介しています。「これも一つの経験である」と前向きの意見もあれば、政府や学校のコロナ対応に不満を募らせる意見もありました。その中で一番多かったのは「生徒たちがかわいそう」という意見でした。