SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は2019年6月、世界各国のSDGs達成度ランキングを発表しました。1位はデンマーク、2位はスウェーデン、3位はフィンランドと、北欧の国が上位を占めました。日本は、162か国中15位で昨年と同じ順位でした。
世界各国のSDGsの達成度や日本のSDGsの達成度について見ていきましょう。
上位10か国を欧州諸国が占める
下のグラフは、2019年の世界各国におけるSDGs(持続可能な開発目標)の達成度を数値で表したものです。1位はデンマークで昨年2位から1ランクアップ、2位はスウェーデンで昨年1位から1ランクダウン、3位はフィンランドで昨年と変わらずという結果でした。4位~10位は、フランス、オーストリア、ドイツ、チェコ、ノルウェー、オランダ、エストニアと、1位から10位までを欧州の国々が独占しました。欧州の国は11位~20位にも6か国がランクインするなど、欧州各国のSDGsへの積極的な取り組みを伺い知ることができます。
日本は15位(昨年も15位)にランクインしており、アジア諸国の中では1位です。アジア諸国では、18位に韓国、39位に中国、40位にタイがランクインしています。
五大国の中では、35位にアメリカ合衆国、55位にロシアがランクインしています。
参照:Sustainable Development Report(SDSN)
日本のSDGs達成度は昨年から伸びている
下のグラフは、2019年の日本のSDGs達成度を示したものです。上段は2018年、下段は2019年の達成度です。
達成度の高かったのは、「目標1:貧困をなくそう」(99.0ポイント)、「目標4:質の高い教育をみんなに」(98.1ポイント)、「目標3:すべての人に健康と福祉を」(94.9ポイント)でした。
昨年から大きく伸びたのは、「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」(57.3→64.9ポイント)、「目標13:気候変動に具体的な対策を」(85.2→90.4ポイント)、「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」(88.3→93.4ポイント)などです。目標13と目標7については、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けての環境対策が評価されたといえるでしょう。
一方で、達成度の低かったのは、「目標14:海の豊かさを守ろう」(53.6ポイント)、「目標12:つくる責任 つかう責任」(55.6ポイント)、「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」(58.5ポイント)でした。目標14については、捕鯨など日本にとって大きな問題を抱えています。捕鯨を禁止することで海の豊かさが守られるという考えがあれば、捕鯨することで海の生態系と海洋資源を守られるという考えがもあります。SDGs目標達成に向けた取り組みが望まれます。
参照:Sustainable Development Report(SDSN)