文部科学省の調査によれば、探究学習の好きな児童、生徒ほど、国語や算数(数学)の平均正答率が高いという結果が出ています。探究学習とは、自分で課題を設定して情報を収集し、整理・分析してまとめ、発表するといった学習活動のことです。
生徒は「探究学習」についてどのような意識をもっているのでしょうか。「総合的な学習の時間」の授業を通じて見ていきましょう。
「探究心」を強くすれば成績の向上が期待できる
下のグラフは、児童、生徒の「総合的な学習の時間」への取り組み方と、教科の成績(平均正答率)との相関を示したものです。グラフからは、「総合的な学習の時間」に積極的に取り組んでいる生徒ほど、教科の成績の高いことがわかります。積極的に取り組んで探究心を強くすれば教科の成績向上が期待できるといってよいでしょう。
参照:総合的な学習の時間の成果と課題について(文部科学省)
参照:総合的な学習の時間の成果と課題について(文部科学省)
学びやものの考え方が身に付く
下のグラフは、「総合的な探究の時間」の実施で生徒は何が身に付いたと感じたのかを示したものです。小学校では、「主体的に学んだり、考えたり、判断したりする力」「学び方やものの考え方」と回答した児童が多く見られます。一方で、「自己の生き方を考えること」と回答した児童はあまり多くありませんでした。
参照:今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(高等学校編)(文部科学省)
中学校も、「学び方やものの考え方」「主体的に学んだり、考えたり、判断したりする力」と回答した生徒が多く見られました。
回答の少なかったのは、「各教育等で身に付けた知識や技能等を関連付けたり、生活に活かしたりすること」でした。「総合的な学習の時間」での探究学習がうまく活用できない生徒、活用方法がわからない生徒へのサポートに課題が残る結果となりました。
参照:今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(高等学校編)(文部科学省)
児童、生徒の半数以上は「総合的な学習の時間」の授業が好きと回答
下のグラフは、「総合的な学習の時間」「国語」「算数(数学)」の3科目について、好きかどうかを聞いたものです。3科目のうちでもっとも人気のある科目は「総合的な学習の時間」という結果でした。
参照:今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(高等学校編)(文部科学省)
一方、「将来、役に立つと思うか」の問いに対しては、半数以上が「役に立つと思う」と回答しているものの、国語や算数(数学)よりも低い回答率という結果でした。「総合的な学習の時間」で身に付けた知識や技能を活かした事例を示すなど、児童、生徒に寄り添った指導が求められます。
参照:今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(高等学校編)(文部科学省)