英語で発表を行うコンテストは、主に「英語スピーチコンテスト」と「英語プレゼンテーションコンテスト」の2種類に大きく分けられます。
スピーチもプレゼンも、人前で話して発表するという点は共通していますが、その内容や意義には違いがあります。
プレゼンは言葉だけで伝えるとは限らない
スピーチは言葉のみを使って表現する
スピーチ(speech)は英語で「演説」、「発言」、つまり「話すこと」という意味の名詞です。「話し言葉」や「長セリフ」といった意味もありますが、要は「口頭で聞き手に情報を伝える」ことを意味します。
原稿や資料を手元に用意してスピーチに臨むことが容認されている場合があるとしても、それはあくまでも発表者が用いる資料です。その資料そのものを直接に聴衆に見せる、ということは想定されません。
プレゼンはさまざまな視聴覚的手段を使って表現する
プレゼンテーション(presentation)は「発表」、あるいは「提示」「公開」といった意味のある名詞です。present が語根になっていることからも推察されるように、「贈る」「授与する」という意味も含みます。
プレゼンにおける情報伝達の手段は、口頭で話すことだけとは限りません。むしろ、さまざまな媒体やパフォーマンスを駆使して効果的に伝達を行うことが、プレゼンテーションの大きな特徴といえます。
壇上にスライド資料を映したり、資料を聴衆の手元に配ったり、試作品や完成品の実物を見せたり、実演して見せたり、そういった「伝え方」の工夫もプレゼンでは重要になってきます。
もちろん、大がかりで製作に手間のかかる資料が必須というわけでもありません。極言すれば、資料を全く用いず口頭での発表に終始するプレゼンテーションもあるでしょう。こうなるとプレゼンも大分スピーチに近づいているといえるでしょう。
「聞き手に伝える」という点は共通
スピーチとプレゼンの端的な違いは、発表を補足する資料の有無といえます。とはいえ、中心となるのは発表者から話される言葉であり、その根本に位置するものは「何を伝えたいか」という内容そのものです。
スピーチもプレゼンも、「聴衆に伝える」「聞き手に理解・共感してもらう」ことが発表を成功か否かと判断する指標です。
プレゼンはさらに「相手を動かす」という部分が重要
スピーチは発表を通じて自分の見解や主張を相手に伝えるという部分に主眼が置かれます。プレゼンテーションは、そうした発表に留まらず、発表を通じて相手を説得し、納得させ、感動を誘い、心を動かす、という部分に主眼が置かれます。
いかに相手の心へ訴えかけ、本当の意味で「伝える」ことができるか。その点を意識することで、効果的な発表方法や資料なども違ってくるわけです。